LazarusでAndroid開発環境を構築してみました

Lazarusとは、FreePascalを使った開発環境です。
見た目はDelphiにそっくりで、Delphiに慣れた人にはスムーズに入れると思います。
そのLazarusで、Androidアプリが作れると言う話を最近知ったので、試しに作ってみました。

上の動画はその時の様子を記録したものです。
以下に、詳しい手順を書いてみたいと思います。

1.JDK7のインストール
Android開発環境なので、当然ながらJDKをインストールする必要があります。
JDKは現在Version8まで出ていますが、AndroidのJDKはベースがJDK5なので、JDK8は使わない方がいいと思います。
理想はJDK5ですが、動作確認はJDK7まで行われているようなので、今回はJDK7をインストールしています。
また、今回は全て64ビットに統一しています。

2.Android SDKのインストール
次に、Android SDKをインストールします。
Android SDKのダウンロードは、こちらから行います。
今回は、SDKだけをインストールしていますが、Android Studioの方をダウンロードしてもSDKはついてくるので別に問題はありません。
上の動画では、C:\developの下にインストールしています。
SDKのインストールが完了したら、SDK Managerを起動して、未インストールのSDKやツールをインストールします。

3.Android NDKのインストール
次に、Android NDKをインストールします。
Android NDKのダウンロードは、こちらから行います。
上の動画では、SDKと同様にC:\developの下にインストールしています。

4.laztoapkのインストール
最後に、今回の目玉であるLazarusをインストールします。
AndroidをサポートしたLazarusであるlaztoapkをこちらからダウンロードします。
ダウンロード後、Lazarusをインストールします。
上の動画では、C:\laztoapkにインストールしています。

5.環境設定
Lazarusをインストールしたら、laztoapkの環境設定を行ないます。
JDKおよびAndroid SDK、Android NDKのパスを指定します。
ただし、パス設定はツールが指定パスを検索したものを選択すると言う形式なので、インストールしたパスの一つ上を設定します。
従って設定するパスは、JDKの場合は、C:\Program Files\Javaを、Android SDKおよびNDKの場合は、C:\developとなります。
環境設定が終わったら、laztoapkが起動されます。

6.Lazarusの設定
laztoapkのLazarusボタンをクリックしてLazarusを起動します。
メニューで「Package」-「Install/Uninstall Packages…」を選択します。
一覧からCustomCrawnというパッケージを選択後、「Save and rebuild IDE」をクリックして、Lazarusの再構築を行ないます。
処理が終了したら、Lazarusを閉じて終了します。

7.アプリケーションの作成
以上で、環境ができたので、次にアプリケーションの開発を行ないます。
まずは、NDK-PlatformとSDK Build-toolのバージョンを指定します。
今回は、NDK-Platformには4.1.2(API 16)を指定していますが、これはサポートするバージョンに応じて設定を行なえばいいと思います。
また、SDK Build-toolは最新のバージョンを指定した方がいいと思います。

設定が終わったらいよいよアプリケーションの作成に入ります。
laztoapkにはAutomaticモードとManualモードの二つが用意されていますが、今回は手順を確認するためにManualモードで行っています。
慣れたら、Automaticモードでも問題ないと思います。
開発手順は以下のようになります。

Step1: Select/Create Project Folder
プロジェクトを作成するフォルダを指定します。
フォルダは適当な場所を指定すればいいですが、今回はAutomaticモードの方でデフォルトで指定されていたパスをそのまま使用しています。
雛形のプロジェクトが、指定したフォルダに作成されます。
なお、プロジェクト作成時に、Android Passwordなるものを設定するように言われます。
今回は別にアプリをアップするわけでもないので、適当に「lazarustest」とセットしています。

Step2: Build Project
作成したプロジェクトをビルドします。
ビルド自体はすぐに終わります。
ここは特に問題ないでしょう。

Step3: Create Android Key
今度はAndroidアプリの鍵情報を作成します。
ここも今回は非常に適当です。

キーストアのパスワード:lazarustest
所有者名:sample1
組織単位名:sample1
組織名:sample1
都市名または地域名:Japan
都道府県名:Tokyo
国コード:81(動画では81と入れてますが、本当はJPが正しいようです。)

実際にGoogle Playにアップする時には、この辺の情報は丁寧に入力してください。(笑)

Step4:Create APK File
全部設定が終わったら、APKファイルを作成します。
ここでは特に処理することはありません。
成功したら、「プロジェクトフォルダ\android\bin」の下にproject1.apkができています。

以上で、アプリケーションのビルド作業は終了です。

8.アプリケーションの実行

完成したアプリケーションの実行手順は、(1)AVD Managerで仮想デバイスを起動して、(2)laztoapkの「Install APK」をクリックするという手順です。
(どうやら起動中の仮想デバイスにインストールを試みるようです。)
動画では仮想デバイスを作成していなかったので、仮想デバイスの作成が入ってますが、既に仮想デバイスを作成している場合は別に作成する必要はありません。
成功すると、動物のアイコン(これは虎?豹?チーター?動物には疎いので区別がつきません。(笑))がアプリ一覧に追加されているので、それをクリックすると動画のようなアプリが作成されているはずです。

アプリケーションの内容自体はソースを見てほしいのですが、それほど難しいことはやっていないようです。

以上がLazarusを使ったAndroidアプリケーション開発方法になります。
多分、作成方法は、laztoapkでプロジェクトを作成してから、Lazarusでコーディングして、ビルド&テストはlaztoapkで行う感じなのかなと思ってます。
これだとデバッグが大変そうな気がするのですが、きっとLogcatを使ってデバッグするんでしょうね。
あと、パッケージ名をどうやって変えるのかとか、Lazarusのコントロールのどの範囲までがAndroidアプリ開発で使用できるのかとか、わからないことが山ほどあります。
というわけで、本格的なAndroidアプリの開発環境にするにはさすがに怖いですね。
この辺、もう少し情報があればいいのだけど・・・

ちなみに、最近知ったのですが、Lazarusの元ネタ?であるDelphiの最新バージョン(Delphi XEと言うらしい)は、AndroidやiOSのアプリを開発できるそうです。
こちらは、しっかりとメーカーがサポートしてくれているので、もしDelphi開発者でAndroidやiOSアプリを作成したい場合は、Delphi XEを使うというのも選択肢の一つになるかと思います。
(少々お高いようですが、毎年料金徴収されるXamarinよりはいいかと個人的には思ってます。)
自分はDelphiは2005まで買っていたのですが、それ以降は買わなくなって、開発言語もDelphiからC#やJavaに変わったので、今回本当に久しぶりのPascalでした。(そういや、代入演算子は:=だったなあとか色々と懐かしかったです。(笑))

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